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2020年をふりかえって

2020.12.31

コロナ禍で感じたこと

2020年は改めてアトリエのあり方を考えた年になりました。
新型コロナウイルスの感染拡大で地球規模で大変な年になり、今も終息の様子も感じられません。
4月にアトリエTuttiは開設10周年を迎える年になり、何か記念になることをしたいと思っていました。
が・・・
2月末の突然の学校休校に始まり、緊急事態宣言を受けて4月5月はアトリエもお休み、記念になる事どころか、通常のアトリエさえもできなくなりました。

当時の記録ノートを改めて見ると、突然の休校と感染拡大を受けて、3月はアトリエを続けるべきか否かで悩む様子が伝わってきます。
子ども達のためにできる事は何か、なぜアトリエを始めたのまで掘り下げて何度も自問自答を繰り返していました。
反面、休校になって、日常が奪われた子どもをどうにかしなければ、と世間が躍起になっている様子を冷静にみている自分もいました。

自分で考えて行動する。

その様な中、記録ノートには下記の様なことを書いていました。
「休校中の子ども達のために、色々と手段を考える必要はあるけれど、一から十まで揃える必要はあるのかな?
今、伝えなければいけないのは、状況を受け入れ、何をしなければいけないのかを自分で考え、行動する事。
休校は辛いけど、自分で考える良いチャンスと捉え、前向きに日々を送って欲しい。」

アトリエの子ども達の様子は、
休校になってすぐの頃は、状況を受け入れるためか発散するより一人にして欲しいという気持ちが強く感じられましたが、しばらくすると学校がない分、ゆっくりと自分のペースで生活ができるので、時間にゆとりができ、穏やかな表情になってました。

なぜ、その様に状況を受け入れ、自分のペースで日々を過ごす様になったのか。アトリエTuttiでは、課題がなく何を作るか「自分で考える場」であり、子ども達は創作を通して自分で判断し、創作(行動)を日々行っています。
そのことが与えられた時間を自分なりに使うことができ、結果として現れたと気付きました。

ジャンプできるよ!進むべき先に大きなコップ。大きな壁を前にどうするべきか、作品で表現。

アトリエで子ども達が行っていること

・作る物が決まっていないから、0から自分で何をつくるか考える、想像(イメージ)を広げる

・事前に作りたいものを計画してきたけど、画材がない時、ない状況を受け入れ、違う画材でできないか考える。

・異質な画材どうしを組み合わせて、何ができるか考え新しいものに作り替えていく。

この事は日常生活の中で、自分で考え、予想外のことを受け入れ臨機応変に判断し、新しいものを作り出す、と言う事に繋がっていたのです。

変幻自在なスライムを使って物語が展開していきます

生きるために必要な学び

6月以降、学校が再開すると同時にアトリエも再開しました。
それまでの間は、zoomによる「オンラインアTutti」で子ども達と遊んだり、
家で作ったものをHPやSNSで紹介する「おうちでTutti」展で作品交流をしました。

オンラインでも準備はアナログ

子ども達は再開直後は、久しぶりのアトリエにやや興奮気味でしたが、最近は落ち着いて創作をしています。
創作を通して、子ども達はたくさんのことを学んでいます。

1から作り出す。
失敗した時のことを受け入れて次に繋げる。
違うものどうしを組み合わせる。

アトリエだけでなく、学校の図工や美術の時間も同じです。
これは、日常再活や社会に出ても必要なことです。子育てなんてこれの繰り返しです。
子ども達は、創作を通して生きるために必要なことを学んでいます。

体験を申し込まれる保護者の方の中に、
この様な時期だからこそ、創作することが大事だと思って、とおっしゃてくださる方が増えてきたことは、嬉しいことの1つです。

withコロナと言われています。どんな状況でも、生きていくために必要な力を、創作を通して身につけていく場作りを心がげながら、子ども達の成長を見守りたいと思います。
これからもよろしくお願いします。

大切な家族やお好きなもの、大事なもの全てを1つの乗り物に乗せて行きたいところにいけるよ。コロナ禍で安心できるところが中々ない今、大好きな家族や大事なものを乗せて自由に好きなところに行きたい、素直な気持ちが表現されています。自由に行き来できる日を願います。